大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)3635 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人笹原寿生の上告趣意第一点について。

論旨は単なる法令違反又は事実誤認の主張に帰し適法な上告理由とならない。

同第二点について。

憲法三七条一項の公平な裁判所の裁判というのは、構成その他において偏頗のお

それのない裁判所の裁判という意味であり、また憲法七六条三項の裁判官が良心に

従うというのは、裁判官が有形無形の外部の圧迫乃至誘惑に屈しないで自己内心の

良識に従うという意味であること、当裁判所の判例に示されているとおりである。

(昭和二二年(れ)三三七号同年一一月一七日大法廷判決)。してみれば所論のよ

うな理由によつて原判決が憲法の右各条項に違反するものであるとする主張の採用

できないこと、右の判例に徴して明らかである。その余の論旨は単なる法令違反の

主張であつて適法な上告理由とならない。なお被告人の精神状態を判断するのに必

ずしも常に専門の知識を有する者の鑑定を要するものでないことについては、当裁

判所の判例が示しているとおりである。(昭和二三年(れ)一〇六六号同年一二月

九日第一小法廷判決)。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

る。

昭和三〇年六月二八日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

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裁判官 島 保

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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